yucacoシステムで後悔?デメリットやカビの心配は?全館空調をガチレビュー

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全館空調YUCACOシステムを実際に導入した体験を元に、導入を後悔していないか、使用して感じるメリットやデメリット、カビの心配、かかった費用、気になる電気代、そもそもYUCACOシステムってどんなシステムなのかを徹底的にレビューします!

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目次

全館空調YUCACOシステム導入して半年。後悔してる?

我が家では半年前に家を新築したのですが、その際に全館空調の「YUCACOシステム」を導入しました。YUCACOシステムとは「エアコン1台で全館空調・快適温度・湿度。省エネを実現」公式ホームページより)するという夢のようなシステム。

このシステムを4月初旬の入居から稼働し始めて、5月、梅雨の6月、そして猛暑の7月、8月と約半年使用しましたが……。

まだ1年を通じて使用したわけではないのと、「これはちょっとどうなんだろう?」という点もいくつかあるので、実はまだ判断つきかねています。

ただ1つ言えることは夏はめっちゃ快適!

ここは声を大きくして言いたい。家中どこへ行っても涼しい。洗面所に行ったら暑くて化粧できないとか、キッチンで料理してると汗だくとか、帰宅後の2階が地獄とか、夜暑くて起きちゃうとかそういう今までの住まいで感じていた夏の暑さによる不快感はいっさいなくて。冗談抜きに「全館空調最高だね」と毎日言って暮らしています。

検討~設計段階で感じたYUCACOシステムのデメリット

導入費用が高額

ここは最も悩んだ点でした。我が家の導入費用は170 万円ほど。(延床面積や施工する業者によって異なると思います)。でも前の家が3階建てだったのですが「夏は暑くて3階は使えない」「冬は寒くて1階は使えない」という過酷な家だったので(1軒家にはありがちですが)、どうせお金をかけて家を建てるなら全ての部屋がいつでも快適に使える家にしたい!と思ったのが全館空調を採用した1番の理由です。現在、各社でさまざまな全館空調システムがありますが、そのなかでもYUCACOにしたのは、ズバリたまたま建築を決めた工務店がYUCACOシステムを採用していたからですね。

また、YUCACOを導入するにあたり、家を高気密・高断熱にする必要があるのですが、わが家の場合、「長期優良住宅」の認定を得ることになりました。その結果国の補助金「こどもみらい支援事業」(2023年現在は終了、同様の新制度「こどもエコ住まい支援事業」がある)で100万円の補助金を受け取ることができ、費用の一部に充てることができました。また、後述していますが、YUCACOを導入することで光熱費も節約できるようになるため、この辺は初期投資をどのように考えるかによると思います。

間取りを考るときに多少制限がある

間取りを決めて行く段階になるとYUCACOシステムのせいでいくつか制限がありました。

空調室のスペース確保が必要

空調室はわが家の場合2畳ですが、もともと限りある坪数から2畳のスペースを作り出すのは結構難しかったです。我が家も当初は「吹き抜け」をつくる間取りを検討していたのですが、YUCACOを導入することになり、それをあきらめて空調室のスペースに当てました。

ダクトスペースが必要

YUCACOシステムは全ての部屋にダクトを通じてエアコンの空気を送っているため、そのダクトを配置するためのスペースが床下や天井裏、壁の内側に必要になってきます。そのため、わが家の場合、1階と2階の間のスペース確保のため、2階の天井を通常より20㎝低くする必要がありました。

また、1階の壁面内にダクトを通すため、収納スペースが減ったり、引き戸にしたかったけどできなかったり、というちょっとした変更が必要でした。

空気の流れを妨げない工夫が必要

わが家は子どもが勝手に上がらないよう、リビングから2階に上がる階段にドアをつけたかったのですが、空気の流れ道を確保するため、ドアをつける代わりに、壁をなくしてルーバー(格子)を設置する造作工事が必要になりました。

階段の壁の一部を格子に

空気の流れについては、工務店の方によると、間取りが出来上がった後、YUCACOシステムの会社の方で計算をして確認がされているというハナシでした。我が家の場合は間取りが一旦決まった後に、「空気の計算の結果、やはりここの壁はルーバーにしましょう」という感じで変更されました。出来上がりを見るまであまり想像できませんでしたが、デザイン的にも抜けが出て素敵だったので、この変更はよかったと思っています。

空気の吹き出し口の設置場所の検討が必要

エアコンの風を部屋に送るための吹き出し口の位置を考えて間取りを決める必要がありました。吹き出し口は、床もしくは天井に設置されます。床に設置される場合は、吹き出し口を塞がないよう、そこに家具を置かないようにしなければなりません。

YUCACOシステムの床吹き出し口

また、長時間じっと座っているようなところでは、冷房の風に当り続けるのは辛そうかな、と思いソファやカウンターテーブルの下も避けましたが、これは正解でした。逆に私があまりじっくり検討しなかった「夫の書斎」や「子ども部屋」については天井に吹き出し口が設置されているのですが、作業時や寝るときにちょうど頭上に風が吹き下ろす位置になってしまい、風よけを設置するなど対策が必要になりました。長時間風に当り続けるのは、冷房・暖房ともにキツイです。

YUCACOシステムの天井吹き出し口に風よけを設置

全館空調YUCACOシステム導入後、実際に使った感想

4月~5月:入居当初エアコン設定がよくわからず寒かったり暑かったり

我が家が入居したのが4月の頭。世間では暖房が終わって、エアコンはあまり使用していない時期だと思います。時々冷え込んだら暖房は入れるかなというかんじですよね。ただし引き渡し前から「原則YUCACOシステムのエアコンは365日、24時間稼働させてください」と言われていました。

家の建築や引っ越しのドタバタであまり細かく確認しなかったのですが、「住み始めてからゆっくりマニュアル確認すればいいか」ぐらいに思っていました。

しかし入居後、改めて工務店から渡された書類を確認すると「YUCACOシステム」の説明はこのA4のペラ3枚。

工務店から渡されたYUCACOに関する資料

高価なシステムの割に説明少な!と驚きました。ホームページにも運用方法に関わる情報はわずかで、またこれは導入前から感じていましたがネットの口コミもほとんど見つけることができませんでした。

そこで少ない情報を元に、手探りでの稼働が始まりますが……結局、4月って朝晩だけ暖房欲しいじゃないですか。でも暖房にしてもすぐには温まらず、日中は逆に暑かったりするので除湿運転させるとさすがにまだ寒すぎる。結局あんまりエアコンは稼働させずに、暑かったら窓を開けて外気を入れたりして過ごしました。

今思えば「送風」運転にすればよかったなと思っています。秋になったら試してみます。

4月~5月:びっくりするほどの乾燥で家族全員喉を傷める

入居当初、エアコンはまだあまり稼働させてはいなかったので暖房による乾燥というよりは、エアコンの風を全館に行きわたらせるためのDCファンの送風によるものだったと思うのですが、湿度が30%を切るほどのヒドイ乾燥で家族全員喉を傷めました。

この季節に加湿対策をするというアタマがなかったのですが、喉を傷めてからは加湿器をつけたり洗濯物を干したり乾燥対策をしました。

特に就寝中に風の吹き出し口からの風に直接当るのが辛かったので、寝室にのみ、アマゾンで購入したエアコン用の風除けを設置しました。

快適に暮らすための全館空調で家族全員体調崩すなんて……正直このときばかりは導入をちょっと後悔しました。

6月中旬から本格稼働。だけどやっぱり快適と感じられず

6月になるとさすがに乾燥は感じなくなりました。このころから梅雨でジメジメしたり、梅雨の晴れ間ですごく暑い日が出てきたりして、連日稼働させ始めました。でも除湿にしたり、暑くなったら冷房にしたりだったので、暑くなってから冷房を稼働させても全館を冷やすのには相当時間がかかったりするので、正直メリットを感じるほどではなく

逆に、暑くて2階を使えなかったり、1階リビングにある予備エアコンを稼働させたりと、本当にこのシステム大丈夫かな……と思う時間が続きました。

エアコンには「Ai自動」という自動運転機能もありましたが、気が付くと暖房になっていたり、逆に温度が下がり過ぎてしまったりしてうまく使いこなせませんでした。

7月~8月夏本番到来!冷房で24時間稼働のメリット感じまくり

今年は梅雨明け前からかなり暑くなったので、7月に入るとほぼ24時間24℃~25℃で冷房を稼働させるようになりました。すると部屋の温度は27℃~28℃に安定。今までの不安を忘れてしまうくらいのいいことずくめです。

家に帰ってきたとき涼しい、家中どこにいても涼しい、かと言って寒すぎるということはありません。吹き出し口に風よけ対策してあるのも功を奏して夜も快適。

冷房運転にし始めたころは夜寒すぎて何度も子どもに布団をかけたりしていたのですが、寝る前にエアコンを「快眠モード」にして26℃程度に設定すると、子どもも朝までぐっすり眠ってくれるようになりました。

ただ幼児を半袖半ズボンのような「夏用パジャマ」で寝せたら風邪をひいてしまったので、長ズボンにしたり、眠った後に1枚羽織らせたり、寝冷え対策は必要ですね。この点は今までの家でもやっていたことなので、変わらないといった感じです。

でもエアコンの風直撃じゃないので、朝起きたときの爽快感はぜんぜん違います。ぐっすり寝たーってかんじです。

このころになると夏休みになって旅行したり帰省したりすると、旅館や実家の空調が冷房直撃で不快に感じ、早く家に帰りたいな、と思うようになりました。ぶっちゃけ、避暑地よりも我が家が快適です♡

この時期だけで言えば後悔ナシ!満足度90%以上!ですね。

全館空調YUCACOシステム、カビの心配は?

私も導入前に正直ここを一番心配していました。エアコンって普通に使っているだけでカビますよね。カビ予防のため事前に工務店の方から言われていたのは以下の点。

カビ予防のためにエアコン&DCファンは止めないこと

つまり常に風が送られている状態であればカビの発生は防げるということです。でも今年の春はエアコンも稼働させなかった日も多く、1年を通して稼働させるというこの使い方が、現実的にどの季節にも可能なのかは、使用半年の今はまだわかりません。今のところカビの気配はありませんが今後の経過をまたご報告したいと思います。

全館空調YUCACOシステム、24時間エアコン稼働で気になる電気代は?

こちらも導入前からすごく気になっていた点です。事前に工務店から受けていた説明は「つけたり消したりするよりも、ずっと運転させる方が若干電気代が安くなる」というもの。これは普通に家でエアコンを稼働させる際も最近は世間一般に認知されていることですよね。

YUCACOシステムのホームページでは電気代の実証結果が公表されています。2017年のデータでだいぶ古いですが、月平均のエアコン代は2,189円、年間で26,286円と、安くはないけど思ったより高くないかなという感覚です。これぐらいなら払ってもいいかな、と思い導入を決めました。

我が家の場合、2023年の7月の電気代は約13,500円(エアコンだけでなく全体の電気代)でした。

ただし我が家は太陽光パネル搭載、オール電化(給湯、キッチンIHコンロを使用)の料金です。

参考までに、引っ越し前の家の2022年7月の光熱費

ガス代が5,670円

電気代23,487円(エアコン4台設置)

これを単純に比較すると半額以下(15,657円のお得)になっています※太陽光による自家発電・自家消費あり。売電による収益は算入せず。

YUCACO導入にはだいぶ費用がかかってしまいましたが、20年単位で考えれば光熱費の差額で回収できるのかなと思っています。また、最近は電気代も値上がりしているので、全館空調を導入するなら自家消費目的での太陽光パネル設置は大いにアリなんじゃないでしょうか。

全館空調YUCACOシステム、実際にどういうシステムなの?

YUCACOシステムとはそもそも、どんなシステムなのでしょうか?「YUCACOシステム研究会」のホームページよると

YUCACOシステムは、Your(あなたの)Uniform(均一に)Conditioned(調整された)Air(空気の)Configuration(配置)System(システム)の頭文字をとった、住宅向けの全館空調システムです。”

とのこと。

①高断熱住宅を前提とする
⓶高効率な汎用機器の活用する
③なるべく簡易に空気を分配する

この3つのポイントを押さえることで、効率よく、より安価に、一般の住宅でも快適な全館空調を実現しています。

では実際、我が家のYUCACOシステムがどういう設備で、どのような仕組みになっているかをご説明しますね。

我が家の空調室外観

まず、こちらが空調室。我が家は2階の階段の脇に設けています。広さは2畳(3.31ⅿ)、天井高さは140㎝で小屋裏扱いになっています。空調室前面には「ガラリ」と呼ばれるフィルターの貼ってある格子がはめられていて、家中からの空気がここを通って空調室ビュンビュン集まってきます。フィルターの近くに手を近づけると吹き込む風を感じます。

空調室の中のエアコン

中に設置されているのが全館を1台で空調しているエアコン。三菱霧ヶ峰Zシリーズ。18畳用のごく普通のルームエアコンです。これは自分で選んだわけではなくYUCACOシステムで推奨されている機種のようです。

エアコンのリモコン

リモコンはすごくシンプルです。冷房、除湿、暖房のほかにメニューから送風、快眠モードなどの設定ができます。

エアコンの下に設置した板

風向はDCファンに風を送りやすくするために下向きに設定してあります。さらに、エアコンとDCファンの間に、よりエアコンの風を効率的に送るよう、板が2枚設置されています。どの程度効果があるかわかりませんが、工務店で設置してくれたものです。

DCファンとスイッチ

その下にあるのが、DCファンとスイッチ。エアコンの空気を各部屋に送ってくれています。よく見るとスイッチに各部屋の名前が書いてあります。それぞれの部屋の風量を変えることも可能。このダクトを取って各部屋にエアコンの空気が送られます。これだけの数のファンが回っているので、音はまあそこそこします。でもわが家の場合、寝室のすぐそばですが、気になったのは最初だけで、今はすっかり慣れてしまいました。

空調ファンの風量は「弱・中・強」で調節可能なので、寒いまたは暑いと感じるときは調節しています。また停止することも可能なので、どうしても一時的に止めたい!というときは1部屋だけ止める、ということも可能です。(工務店からは勧められていません。自己責任です)。ただし停止しっぱなしはカビの原因なので、用が済んだら速やかにスイッチを元にもどします。

狭い書斎の吹き出し口のすぐ下で1時間ほど作業しなければならないことがあって、その時は長袖を着たのですがそれでも寒くて、一時的に止めました。

そして2階の天井裏に熱交換器(第1種換気システム)があります。こちらが点検口。定期的なメンテナンスで手入れをしていますが、私1人では届かないので、次回のメンテナンスのときに写真を撮りたいと思います。

熱交換器の点検口

“YUCACOシステムでは第一種熱交換換気システムを採用しています。第一種熱交換換気システムとは 屋外の新鮮な空気を取り入れる時に熱交換器を介して排気する室内空気の温度との間で熱交換を行い室内の温度に近づけて空気を取り入れる方法です。”

出典:「YUCACOシステム」ホームページ

つまりこの熱交換器を使うことで、取り込む外気温度と室内の温度が近づくので、室内が一定の温度に保たれやすくなります(結露を防ぐという効果も)。また電力を使って強制的に吸排気しているので、室内に入ってくる空気は理論的にはこの熱交換器のフィルターを通過することに(もちろん窓やドア、微細な隙間などから自然に空気が入ることもありますが)なっているので、花粉症対策にもなります

実際我が家は家族全員花粉症ですが、4月にこちらに入居してからは、空気清浄機なしでも普通に生活できるなと感じていました。でもこれはYUCACOというより第1種換気システムの利点ですね。ただし今年はこの時期、前述のように、全員喉を傷めてそちらが辛かったので、「花粉症すっごいラク!」というのを実感できたわけではありませんでした。来季にもう1度確かめたいところです。

あとはYUCACOシステムでは、万一エアコンが故障してしまったときのために、予備エアコンの設置が推奨されています。エアコンって、必ず壊れるものですからね。

我が家でも以前の家から持ち込んだものを1台リビングに設置しています。春先にYUCACOシステムのエアコンを稼働させていなかったとき使ってみましたが、高気密・高断熱なので、この8畳用1台でも短時間で1階は充分空調できました(一瞬、え、だったらYUCACOいらなかったんじゃない?って思いました(笑)でも、各部屋へのエアコン設置だった場合、夏はこれだけ快適だったかは分からないし、電気代もわからないし、そこは誰にもわからないところです!)。

まとめ:今年の夏は猛暑でも家中快適!でも評価は今後次第

最後にYUCACOシステムを使い始めて半年の感想をまとめてみます。

  • 夏はとっても快適!帰ってきたら涼しく、冷えすぎない
  • 寝冷え対策や、風よけ設置など快適に過ごすための工夫は必要
  • 春~梅雨のメリットはイマイチ感じられず(使い方のせいかも)
  • 今のところカビの気配はなし(エアコン&ファンつけっぱなしが必要)
  • 花粉症は例年よりだいぶマシだった気がする
  • エアコンの電気代もお得になった
  • 間取りを決める際にいくつか制限がある

以上です。我が家はYUCACOを採用済みなので、あとは後悔しないように、うまく運用していきたいなというのが正直な感想です。また秋や冬も使ってみて新たなことが分かったら、お知らせしようと思っています!

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